中国新聞


市立小中学校
給食費滞納額 累積1690万円
広島市教委、徴収業務を強化


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 広島市立小中学校で給食費の滞納額が累積で1690万円に膨らんでいる。対策を強化するため市教委は、滞納世帯からの徴収業務を学校現場から分離し、市教委の組織に集約する方針を決めた。悪質な場合は法的措置も辞さない構えだ。

 広島市の給食費は、小学校が1食220円、中学校が265円。各校が毎月、保護者から集め、食材調達を担当する市学校給食会に支払う。滞納世帯には担任教諭たちが家庭訪問などで催促しているが、実際には多忙や気兼ねもあり、効果は上がっていない。

 市教委は、給食費の滞納が社会問題化した2005年度から全体額の調査を始めた。各年度の滞納額は、不況の影響で07年度に560万円と前年度比82%増えた。市教委は家庭訪問の方法などを指導したマニュアルを各校に配布し、それ以降は徐々に各年度の滞納額は減っている。

 しかし一方で、長期滞納者からの徴収は進まず、累積額は増え続けている。このほどまとまった09年度の累積滞納額は、06年度の1・7倍に膨らんだ。

 市教委は「学校現場だけでは限界がある」と判断。滞納世帯への対応を、学校事務の一部を集約する「学校事務センター」や市教委事務局に移す。現在センターは安佐南区にしかないが、各地区に順次設ける計画。悪質な長期滞納世帯には民事訴訟法に基づく支払督促制度を使い、給与や財産の差し押さえに踏み切る。

 ただ、滞納世帯の現住所や滞納理由、過去の催促時期を把握しきれてはいない。健康教育課の上田典之課長は「事態の深刻さへの認識が甘いと言われても仕方がない。厳正徴収の体制を早急に整え、保護者間の公平性を確保したい」としている。(教蓮孝匡)

(2010.12.23)

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