広島市教委、統一ルール作成 法的措置も視野 広島市教委は本年度、市立小中学校の給食費滞納の徴収を強化する方針を決めた。滞納総額が一千万円を超え、年度別の金額も減少傾向に転じない現状を打開するのが目的。全校統一の対応ルールをつくるほか、長期滞納者には法的措置も視野に入れる。 統一ルールは(1)納入期限の翌月になっても未納状態の保護者に対し、滞納額と期日を明記した文書を送付(2)応じない場合は、各校が担任教諭と教頭たちでつくる連絡会議を設け、家庭訪問などの有効な回収手段を協議する―が基本となる。 再三の請求に応じない長期滞納者には、民事訴訟法の支払督促制度を活用し、給与や財産の差し押さえに踏み切ることも検討中。法的措置を見据え、その前段で各校が督促の経過を公文書にまとめ、市教委に報告することもルール化する。 市教委によると、昨年十二月時点の滞納総額は、小中学校計五十一校で約一千十万円(三百九十六人分)。二〇〇六年度分の給食費に占める未納額の割合は0・09%となっている。〇五年に国が調べた全国平均0・5%と比べると低いが、市での推移を見ると五年以上横ばいが続く。 給食費の滞納については昨年度まで、各校が個別判断で対応。主に担任教諭の電話による催促にとどまっていた。市教委給食保健課は「責任意識の薄い保護者が一部にいる実態がある。公平性を保つためにも厳正に対応するためのルールが必要」と説明している。(水川恭輔) (2008.5.3)
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