中国地方自治体 公務員の手続きネック 子ども手当を4月分から受け取るための申請期限が30日に迫っている。期限を過ぎると、子ども1人当たり4〜10月分計9万1千円がもらえなくなる。中国地方にも未申請世帯があるとみられているが、その数の把握が難しく、市町村の多くがピンポイントで申請呼び掛けできていない。 ▽4〜10月分 30日が期限 未申請世帯の把握を難しくしているのは公務員の手続きが別だからだ。公務員世帯は職場に届け出、それ以外は市町村役場に申請するため、保護者が公務員の世帯がどれだけあるかが分からないと実際の未申請世帯数を割り出せない。 広島市では、住民票を基に対象を3万540世帯と算出。8月末現在、2万2658世帯の申請があったが、約4分の1に当たる7882世帯はまだ届け出がない。 市は未申請のうち、6500世帯は公務員世帯とみて1382世帯が手続きをしていないと推定する。 呉市は5500世帯のうち、申請は半分以下の2427世帯。尾道市や三次市も半分に満たないが「教員や国県などの公務員が多い。ほぼ申請は終わっている」とみる。 もらう側にとっては、細やかな情報提供がほしいところ。安芸高田市はこれまで3度、未申請世帯に手紙で申請を促した。しかし「調査には経費がかかる」(松江市)と、ためらう市もある。多くの自治体では、広報誌やホームページを使った広報にとどまっている。 申請がまだ約4割しかない山口市のこども家庭課は「制度のメリットを市民に漏れなく受けてもらうため自治体が未申請世帯を把握でき、ピンポイントでお知らせできるよう手続きを一本化してほしい」と要望する。(川井直哉)
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