自転車の規則改正受け広島県安芸郡4町
子育て世帯の負担軽減 広島県安芸郡4町は、そろって3人乗り自転車の貸し出し事業に乗り出す。7月の県公安委員会の規則改正で、安全基準を満たした自転車に限り幼児2人を前後に乗せられるようになった。各町とも「乗り心地を試し、身近な交通安全について考えてほしい」と利用を呼び掛けている。 府中、海田、熊野3町は、6歳未満の幼児が2人以上いる世帯を対象に、通園用などとして無料で貸し出す。坂町は購入台数や運用方法を検討している。 府中町は12月にも30台を購入し、町内6カ所の保育所・保育園に5台ずつ配置する。園児2人以上を通わせている保護者を対象に、送迎用として貸す。事業費は300万円。町福祉課は「子どものヘルメット着用など安全運転の啓発も図りたい」と説明する。 海田町は、電動アシスト式の5台を約65万円で購入する。来年1月にも安全運転の講習会を開いた後、希望者に貸し出す。熊野町は11月、5台の無料レンタルを始める。町子育て支援センターで受け付ける。事業費は約50万円。 規則改正で、車体強度や転倒防止など6項目の安全基準を満たした自転車であれば、3人乗りが認められた。ただ、3人乗り自転車の価格は1台5万〜12万円と割高なため、県警は6月、県や市町に貸出制度の導入や購入助成などの負担軽減策の実施を求めた。 県によると、3人乗り自転車の貸し出しに乗り出す市町は今のところ、安芸郡4町だけという。県こども家庭課は「狭い町域に人口が集中し、少ない台数で事業効果を得やすい面がある。各町とも子育て世帯が多く、3人乗りへのニーズも高い地域」とみている。(榎本直樹、小山顕) (2009.10.3)
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