特別支援学校移転盛る 広島県が、広島市南区出島地区のメッセ・コンベンション(メセコン)等交流施設用地の用途変更案に、市立広島特別支援学校(中区)の移転を盛り込むことが5日、分かった。広島港宇品・出島地区土地利用あり方検討委員会に7日、提案する。手続きをめぐり県、市で意見が食い違っていた同校移転問題の決着につなげる。 県は検討委で同意が得られれば、県地方港湾審議会を経て、メセコン用地を含む宇品・出島地区の港湾計画の変更手続きに入る。 変更案では、メセコン用地(50・6ヘクタール)を、港湾物流▽人物交流▽都市機能―の3ゾーンに分け、特別支援学校を人物交流ゾーンに配置。隣接する港湾物流ゾーンには緑地帯を設け、子どもの学習環境に配慮する。 メセコン用地の中核に位置付けていた展示施設については、市側が縮小を提案。県空港港湾部は「土地利用全体を見直す中で、学校を建設しても支障はないと判断した」と説明している。 市は2012年度中の開校に向け、来年度から建設工事に入る方針。市教委特別支援教育課は「子どもにとって良好な教育環境は長年の課題。開校に向け全力をつくす」としている。 これまで財政事情が厳しい市は、市土地開発公社が所有するメセコン用地(10・5ヘクタール)の一部を移転先に計画。児童・生徒の急増と老朽化を理由に早期移転を県へ訴えた。 これに対し、広島港を管理する県は「現港湾計画では学校の立地を想定しておらず、土地利用計画全体を見直す必要がある」と主張。意見の食い違いを埋めるため、県と市は08年4月から協議を続けている。(加納亜弥)
(2009.8.6)
【関連記事】 |