報道部 木ノ元陽子 【記者手帳】 仕事や家事が立て込むと、小学一年の娘との時間は後回しになる。今日はどんな一日だった? 寝顔に問い掛ける。寂しい思いをしていないか。心は満たされているか―。不安がよぎってもなるべく考えないようにしてきた。「サポートブック」に出合うまでは。 親子で気持ちを書き込む小冊子。この本を介して、いろんな親子の心模様を取材している。わが子と言葉を交わしたい、つながりたいと願う親がいかに多いことか。読者からの反響に気づかされる。 私自身も使ってみた。娘への愛情を、ありったけの言葉でつづった。娘も一生懸命書いている。「私がいないところで読んで」と彼女は言った。 「ひとりでねたら、からだがつめたくてこわいゆめをみて、すこしなみだがでます。こころでさみしいよって、つぶやいたりします。ママがいっしょにねてくれたらきもちよくなって、あったかくなります」―。見過ごすところだった。 今後もたくさん頭を打ちながら子育てをするのだろう。そのたび、娘の幼い文字を読み返そう。まっすぐに伝え合うことの大切さを、サポートブックは教えてくれる。気持ちを言葉にしよう。誰もが忙しくて、不安を抱えた時代だからこそ。 (2009.5.11)
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