広島県が「サポートファイル」 保護者が記入/窓口で説明容易
広島県はこの春、障害者がケアを受ける上で必要な情報を保護者が記録する、「サポートファイル」を作成した。今後、各市町が地域情報を加え、本年度中に無料配布する。病院や福祉施設で提示することで、説明を繰り返す負担を軽減。保護者の多くを悩ませる、自身の死後の子どもへの支援についても、的確な「道しるべ」を残せることになる。 「心をつなぐサポートファイルひろしま結愛(ゆい)」はA4判の六十五ページで、医療情報や成育歴、相談歴などを保護者が記入。生活習慣やコミュニケーション力、好みも、年齢に応じ書き込む。 これまで保護者は各種窓口で、障害の内容や成育状況を繰り返し説明せざるを得ず、心の負担となってきた。また、障害のある子どもを残し親が先立つ不安から、適切なケアや自立支援につながる「記録」を求める声が高まっていた。 知的障害者の保護者たちでつくる「広島県手をつなぐ育成会」が県から作成を委託され、三月に完成。今後、各市町が各種機関の連絡先など地域情報を加えて配る。 膨大な個人情報が含まれるため県障害者支援課の衣笠正純課長は「施設や事業所は情報管理の徹底が大切。保護者も必要な部分だけ示すなどの注意をしてほしい」と話す。 中国地方では、広島市が二〇〇七年度、発達障害をめぐるファイルを作成。松江市や倉敷市も、障害者を支える同様の手帳などを配布している。(治徳貴子) (2009.4.1)
【関連記事】 |