学力テスト 中国地方 10校「不要」「合わない」
小学六年と中学三年を対象とした文部科学省の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)が二十一日、中国地方五県でも一斉にあり、小中学校計二千四百六十校が参加した。テストの有効性に対する疑問から不参加を決めた私立小中学校は、昨年の六校から十校に増加した。 国公立は対象の児童・生徒がいるすべての小中学校が参加。計二千四百十五校の約十三万五千人のほとんどがこの日、試験に臨んだ。広島市中区の幟町小では、六年の五十一人が、午前八時四十五分からの「国語A」に取り組んだ。 私立は五十五校のうち、参加は四十五校にとどまった。中でも広島県では三十校のうち七校が不参加。前年比で四校増えた。山口県で二校、島根県で一校が不参加だった。 今年から不参加を決めた比治山中(広島市南区)は「調査結果が出るのが遅く、授業改善に生かしにくい。民間のテストで生徒の学力データは得ており必要ない」。城北中(東区)は「難易度も含めテストの内容が中高一貫校が求めている内容とマッチしていない」などと説明している。 テストは算数・数学と国語の二教科。それぞれ、基礎的知識を問うA問題と応用力を調べるB問題がある。生活習慣も同時に調べ、九月をめどに結果を公表する。 鳥取県教委は今年、全国で初めて市町村別、学校別の成績一覧を原則開示する。これに対し、他の四県教委は「序列化や過度な競争につながる」とする文科省の実施要項に従い、個別の結果一覧の公表はしない方針。一方、文科省は市町村や学校がそれぞれの結果を独自に公表することは認めている。(永山啓一) (2009.4.22)
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