中国新聞


塾競争激化 東広島の陣
相次ぎ新校舎やコース充実


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似通った複数の図形の違いを説明させ、考える力を育てる小学2年の授業

 東広島市中心部で、学習塾の新校舎設置や授業コース充実が相次いでいる。需要が高まる低学年児童への教育も強化。各塾は駅近くの立地で利便性を高めたり、学習態度の指導もしたりしてニーズの多様化が進む「戦国時代」の生き残りを懸ける。

 ▽低学年児童向けも対応

 JR西条駅前の幹線道沿いのビルに二月上旬、鯉城学院(広島市中区)が東広島校を開いた。当面は小学生を受け入れる。角谷勝己学院長は「授業の質を高めて地域へ浸透を図りたい」と意気込む。鴎州コーポレーション(同)も三月上旬、公立高受験に特化した進学ゼミWINを西条と高屋地区に開校した。

 西条駅前の別のビルには同時期、田中学習会(安佐北区)広島西条校が移転。旧校舎は駅から遠く「利便性や情報発信を強めたい」(橋本修教室長)とサービス強化を図る。

 市内には広島大、広島国際大、近畿大工学部が集まり、保護者の教育意識は高い。地元の塾経営者は「中高一貫の近畿大付属東広島や県立広島もできて、受験がより身近になった」と分析する。

 主に受験対策を担ってきた塾だが、最近は低学年児童向け授業の需要も高まり、応用力や論理的思考力を伸ばすクラスを充実させるなど工夫する。

 背景には「ゆとり教育で子どもの習熟度を測りかねている保護者の不安がある」と塾関係者。子ども二人が塾に通うスポーツサロン経営渡部かすみさん(35)=西条中央=は「それぞれの特色を比べ、子どもに合った学習環境を選べるのがいい」と歓迎する。

 「低学年化」はそろばん教室でも進む。市内で五教室を運営するヤマト塾(八本松南)は約五年前から幼児の入塾が目立つ。山戸克弘塾長は「計算力や文章題の読解力を身に付けさせ、高学年から学習塾に通わせたい保護者が増えた」と話す。

 合格実績だけでは生徒を集められない現状に、地場の栄光プレップ(西条岡町)の北川健治代表は「学習態度やノートの取り方も指導し生涯学習につなげたい」、近くの独創学園の桧高明子塾長も「少人数を生かして生徒の人間性も育てたい」と力を込める。(小山顕)

(2009.3.21)

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