広島のマザーズハローワーク 先月 前年比1.5倍
子育て中の女性たちの就職を支援するマザーズハローワーク広島(広島市中区)に、求職の申し込みが相次いでいる。不況が深刻化した昨年末以降に目立ち、二月は前年の約一・五倍に急増。夫の残業代が減り生活防衛に走る主婦や、派遣契約を打ち切られた女性が訪れるが、求人は減少傾向で厳しい壁に直面している。 ▽夫の残業代減少や派遣打ち切り 「夫の残業代がどんどん減り家計が苦しくなってきた。資格がないと就職は難しいが、四月までには職を見つけたい」。夫が自動車メーカーに勤める広島市内の主婦(38)は真剣な表情で求人情報を追う。 十席ある対面の相談コーナーは満席が続き、求人情報を検索する端末も混雑。三人の子どもがいる同市内のパート女性(47)は今月末、百貨店店員の派遣契約が打ち切られる。「生活を維持するため正社員になりたいけれど、資格や経験がないと厳しい」と漏らす。 同ハローワークの申込件数は昨年十二月に前年同月比51・2%増の二百五十四件と急増し、今年二月は47・8%(速報値)増加し四百九十五件に上った。担当者は「例年にない増加で、製造業の減産や派遣契約打ち切りの増加と連動した動きではないか」とみる。 求職者は三十歳代が多く、ゼロ―三歳児の母親が約四割を占める。数カ月通っても希望の職が見つからない人も少なくないという。 人気の高い事務職では一人の求人に五十人以上の応募が殺到することもあり、競争率が百倍に達するケースも。広島県全体の新規求人は減少傾向で、一月の製造業は前年同月比で50・7%減、人材派遣業を含むサービス業も41・7%減だった。 ハローワーク広島の平岡富士男次長は「かつてはキャリアアップを目指す求職が多かったが、昨年後半から生活を守る動機の女性が目立つようになった」と説明。「今月末で派遣契約が切れる人も多く、さらに求職者が増える可能性もある」と懸念している。(新山創)
(2009.3.17)
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