中国新聞


乳児ママも働きたい
再就職希望最多 ハローワーク調べ


 「ブランクあけず社会に」

 子育て中に再就職を希望する母親のうち、0―3歳の乳幼児を持つ層が最も多いことが、昨年、広島市中区に設置されたマザーズハローワーク広島の統計で分かった。担当者は「一番子どもと近くにいたい層だと予想していたので意外。女性の結婚の平均年齢が上がり、結婚観が変化しているあらわれでは」としている。(鴻池尚)

グラフ

 ハローワークは、出産や子育てなどで退職した女性の再就職のサポートを目的に昨年4月、中国地方に初めて設置され、昨年度は計4836人の求職者があった。

 申請から3カ月以内の早期就職を希望する「重点支援対象者」は2152人で、このうち子どもの年齢が0―3歳の層が約44%と半数近くを占めて最多。次いで10歳以上が23%、4―6歳が19%、7―9歳が14%だった。

 高橋秀子統括職業指導官は「結婚の平均年齢が高くなり、再就職先の年齢制限を気にする人が多い。ブランクをあけず社会に出たいという女性の結婚観の変化が要因では」としている。

 ハローワークによると、この層の再就職は、乳児を受け入れる保育施設の定員が少ないことなどから、希望に見合う職種がある場合でも、就職に結びつかないケースも少なくないという。

 今回の統計の結果を受け、ハローワークは求人を出す企業に対して、子どもの病気や行事による休暇への配慮を求めるよう働きかけるとともに、保育施設の情報提供を強化するなどして、再就職実現につなげていく方針。高橋指導官は「企業内の託児所の設置や保育施設の充実など、母親が安心して働ける環境整備が社会に求められている」と指摘している。

(2007.7.13)


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