隠岐広域連合 妊婦向け説明会 「不安なくならぬ」 島根県隠岐の島町の隠岐病院が、常勤の産婦人科医師を確保できず院内出産への対応を断念した問題で、病院を運営する隠岐広域連合(連合長・松田和久隠岐の島町長)は十二日夜、同町で説明会を開き、本土での出産に伴う支援策を報告した。妊婦や家族たちからはなお、精神的、経済的な負担増への不安の声が上がった。 支援策は、十月末までに同病院で出産を予定していた約六十人が対象。出産の一カ月前には離島を余儀なくされるため、同連合が松江市や出雲市などで滞在用のアパートを十室ほど借り上げて無料提供する。交通費は本人と家族三人分を支給し、滞在雑費なども支援する。妊婦一人当たりの支給額は十七万円。経費は島根県が三分の一、隠岐の島町が三分の二を負担する。 説明会には約八十人が参加。同連合の井崎雅夫事務局長が支援策を説明し、「十一月以降も医師を確保できなければ、支援策を維持する方向で検討したい」との考えを示した。 二歳の長女を連れて参加した同町の永海豪さん(27)、和歌子さん(21)夫妻は「不安がなくなることはない。どこまで負担がかかるのか、まだ想像できない」と話していた。 同病院によると、四月中の出産予定者六人のうち、二人が同病院での出産に間に合い、三人はすでに松江市や岡山県に移っている。(城戸収) (2006.4.13)
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