若い世代に原爆について伝えることを少し深く考えてみました。私の2人の子どもはまだ小さくお姉ちゃんは4歳ですが、爆撃やそれによる犠牲について話をするようにしています。正直、答えに困ることもあります。例えば「なぜみんなは戦うの」というような質問です。歴史的背景を説明することはできるでしょうが、彼女が本当に聞こうとしていることへの解答になりません。説明を求めているわけではなく、純粋になぜ人類が戦い、傷つけ合うのかを疑問に思っているからです。それは彼女にとって常識では考えられないからです。考えてみれば真実とは、常識的ではないということなのかもしれませんね。
米国イリノイ州出身。ニューヨークの大学と、サンフランシスコの大学院で演劇を勉強。大学院生のときに「ピースコール」というボランティアとして、ヨーロッパのチェコで英語の先生をした。広島市安佐北区在住。
マリとケビンは広島の平和記念式典について話しています。
Mari and Kevin talk about the Peace Memorial Ceremony in Hiroshima.
【言葉のポイント】
原爆症は A-bomb disease(s) と訳すことが多いです。
cause と bring about は同じ意味です。caused by radiation は福山市の小林さんのように brought about by radiation とすることもできます。
例を示すとき like や such as を使いますね。前者は少し砕けた表現で会話によく出てきます。ここでは後者よりも適していると思いますが、広島県府中町のSOS男さん、尾道市の樋口さんもOKですよ。
people who were killed by the A-bomb や、people who died from the atomic bombing では、原爆投下の日にもその後にも亡くなった人がいるというニュアンスを十分に伝えていないと私は思います。その日に亡くなったという限定的な意味があるのです。解答例を選んだのはそんな理由からです。
【文化のポイント】
この会話でケビンは原爆が広島に落とされた日を知っていますが、ほとんどの米国人は正確な日を答えることができないでしょう。残念なことですが原爆は米国でそれほど知られていないのです。
英語翻訳の応募は、下のフォームから送れます。どしどしチャレンジしてね。
8月6日、マリとケビンはサンフランシスコにある日本庭園で話をしている。 | |
平和を感じる場所ね。連れてきてくれてありがとう。 君が気に入ると思ったよ。 でも奇妙な感じもする。8月6日はいつも広島にいるから。 平和公園の式典に行くの? 毎年。市長が平和宣言というスピーチをするの。子ども2人も平和に関するスピーチをするわ。 いつかその式典を見てみたいな。日本語は話せないけど。 それは大丈夫。いろんな国から多くの人が訪れるから英語で式典の内容を聞くことができるの。 |
※締め切りは9月4日(必着)です。