ふたりでおるすばんをしているとき、「ホットケーキをやこうか」といいだしたのは、おねえちゃんでした。
「でもね、まりちゃんはちっちゃいから、ちょっとむりかな」とおねえちゃんはつづけていいました。
「ううん。あたし、できるよ」と、くやしくなって、まりはいいました。「かんたんだもん」
それを聞(き)くと、おねえちゃんはくふんとわらいました。
おねえちゃんはボウルと、ホットケーキの粉(こな)、それからミルクとたまごを用意(ようい)しました。
ボウルの中(なか)に粉とミルクとたまごを入れると、まりにボウルをもたせておいて、おねえちゃんはぐるぐるとかきまぜます。どろりとしたホットケーキのタネができあがりました。
それからフライパンを取(と)りだし、ガスレンジにのせると、火(ひ)をつけました。青(あお)いガスのほのおが、いっせいにもえはじめました。
おねえちゃんはフライパンにタネを流(なが)し入(い)れます。なんだかとってもなれた手つき。まりは、おねえちゃんのすることをじっとかんさつしていました。
やがてホットケーキのやけるいいにおいがしてきました。おねえちゃんはフライ返(がえ)しでじょうずにホットケーキをひっくり返(かえ)します。こんがりいい色(いろ)にやけています。
「あたしのは、あたしがやくからね」と、まりはいいました。
「ほんとにできるの?」
「できるもん」
ちゃんと、おねえちゃんのやくところを見(み)ていたのです。まりには自信(じしん)がありました。
おねえちゃんのホットケーキがやきあがりました。
「じゃあ、まりのばんよ」
おねえちゃんがフライパンを火にかけてくれました。