4〜8月8200人 広島市の出前講座人気 トラブル多発 保護者の不安増
広島市が地域や学校に講師を派遣し、子どもの携帯電話の利用について助言する「ケータイ出前講座」の受講者が増えている。本年度は4〜8月で約8200人に上り、既に昨年度の年間通した受講者数の1・4倍に達した。呉灰ケ峰少女遺棄事件でも、スマートフォン(多機能携帯電話)が関わっていた経緯もあり、保護者の不安が高まっている。 7日は広島市東区の戸坂公民館で、保護者8人が参加した。呉の事件でも使われたスマホの無料通信アプリLINE(ライン)について、インストラクターは「ささいな悪口から、仲間外れや攻撃的なやりとりにエスカレートすることもある」と注意点を説明した。 書き込みが原因のトラブルをまとめたDVDも視聴。ネット上で初めて知り合った人と会わない▽住んでいる場所を特定できる写真を安易に載せない―と、子どもを指導するポイントを学んだ。 出前講座は市が2009年度から無料で始めた。PTAや青少年健全育成協議会、学校からの依頼が目立つ。 昨年度は33回で約5900人が受講した。本年度は8月末までで38回に達し、年末までにさらに15回を予定。今後も申し込みがあればさらに増える。過去最多だった11年度の約9100人を更新する見込みだ。 中学2年の娘(14)にスマホを持たせるか、どうかを検討している東区の会社員国弘益美さん(45)は「親が仕組みを知らないと、子どもに注意できない。部屋にこもりきりでは使わないなどルールを考えたい」と話していた。 市教委育成課の松田裕子課長は「事件報道などで、子どもに携帯電話を持たせることに保護者が不安を感じている。講師のスキルも上げて、ニーズに応えたい」と話している。(久保田剛) (2013.9.16)
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