広島市スポーツ協会、中区で初シンポ 言葉・自主性重視 監督ら学ぶ
学校の部活動での体罰が社会問題化しているのを受け、広島市スポーツ協会は31日、スポーツ指導での暴力行為の根絶をテーマにしたシンポジウムを、中区の原爆資料館東館で初めて開いた。競技指導者たち約190人が、言葉や自主性を重んじる指導の在り方を学んだ。 パネル討論では3人が登壇した。安芸南高(安芸区)サッカー部の畑喜美夫監督は、部員に練習内容から戦術まで決めさせていると紹介。「大人になっても生きていける力を付けるのがスポーツの目的。子どもの力を引き出す指導が大切だ」と訴えた。 広島経済大の内海和雄教授(スポーツ社会学)は「選手を言葉で納得させる言語力を指導者が磨くべきだ」と強調。米国ワシントン大アメリカンフットボール部の元コーチ吉田良治氏は、スポーツで勝利にこだわることよりも学業を優先させる米国のコーチ事情に触れ、「体罰の土壌はない」と語った。 参加した安佐南区の団体職員で、小中学生に体操を教える上原恒男さん(62)は「子どもたちが理解できる言葉や知識をもっと増やさないといけないと実感した」と話した。 大阪市立桜宮高バスケットボール部員が昨年12月、顧問から体罰を受けた後に自殺。広島市スポーツ協会は競技団体を通じ、体罰の根絶を呼び掛けている。梶原伸之専務理事は「今後も指導者が学べる場を提供していきたい」としている。(岡田浩平) (2013.9.1)
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