広島県教委、年内に配布 広島県教委は、いじめや暴力の被害に遭った児童・生徒を支える取り組みを強化するため、教員向けの手引を作る。現在は、問題行動を起こした生徒の指導方法や懲戒退学の基準をまとめた手引しかなく、被害を受けた子どもへの対応は学校現場に任せていた。年内に各学校へ配布し、被害に悩む子どもたちのフォローに力を入れる。 大津市の中学2年の男子生徒がいじめを受けて自殺した問題などを教訓に、手引は、いじめや暴力を受けた児童・生徒の心と体を守る観点で作成した。 被害者と加害者が同じクラスだった場合や、被害者が不登校になった場合などを想定し、臨床心理士などの資格を持つスクールカウンセラーや保護者と連携してどう被害者を支えるかを具体的に記す。 文部科学省によると大津市の事件以降、小まめに家庭訪問したり、加害者と被害者の教室を別々にしたりするなど、全国の学校で被害者へのフォローが進んでいるという。 被害者たちの心をサポートする手引は、さいたま市教委が既に作っている。一方で同省は「マニュアルなどで縛ると、学校が柔軟に対応できなくなる恐れもある」と指摘する。 県教委豊かな心育成課は「具体的な取り組み例を示し、いじめや暴力で傷ついた子どもたちをしっかりサポートしていきたい」と話している。(衣川圭) (2013.8.8)
|