相談体制の充実に重点 中国地方5県の不登校の中学生は2012年度、5311人で6年連続減となったことが7日、文部科学省の学校基本調査(速報)で分かった。広島県では15年ぶりに2千人を下回った。不登校の小学生は1587人となり、2年ぶりに減少した。各県教委とも相談体制の充実や、進学に伴う環境の変化で問題行動が増えやすい「中1ギャップ」対策に重点を置く。 中学校の不登校は5県とも減少し、11年度に比べ計649人(10・9%)減った。県別は、広島が1960人(11年度比292人減)▽山口913人(同19人減)▽岡山1480人(同201人減)▽島根579人(同39人減)▽鳥取379人(同98人減)。 広島は1998年度以降、2千人台で推移してきた。広島県教委は「生徒指導や家庭訪問を充実させ、人間関係の構築に力を入れてきた」と説明する。 中1ギャップ対策では、鳥取県教委が生徒の人間関係や学級での満足度を把握する心理検査を一部校に導入した。山口県教委は近隣の小中学校の教員が合同研修を開くなど、小中間の連携を強める。 不登校の小学生は11年度に比べ142人(8・2%)減少した。県別は、広島が45人減の608人、岡山が114人減の485人、島根が16人減の173人になった一方、山口が23人増の202人、鳥取が10人増の119人だった。 全児童に占める割合は、島根が都道府県ワーストの0・47%となった。10、11年度と2年連続で最下位だった岡山は0・1ポイント改善の0・45%で45番目となった。広島0・39%▽鳥取0・37%▽山口0・27%―だった。 岡山県教委は「学校を休み始めた1日目から登校を呼び掛けるアプローチをして効果があった」と説明。教員の退職者が不登校の児童をサポートする島根県教委は「地道な施策の効果も出ているが、不登校の割合は依然高い。継続的な取り組みが必要」としている。(金刺大五) (2013.8.8)
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