認可保育所、整備追い付かず 広島市の認可保育所に入れない待機児童は4月1日現在372人で、過去最多となったことが31日、市のまとめで分かった。景気低迷などにより働く母親が増える一方、保育所整備が追い付かない状況。「待機児童ゼロ」を達成して注目を集めた横浜市とは対照的な結果となった。 広島市によると、待機児童は前年同期より37人増え、5年連続の増加。現行の基準で集計を始めた2002年度以降で最も多い。中国地方の政令指定都市と中核市、県庁所在地計8市の待機児童は、広島市のほかに倉敷市の48人、山口市の33人だけで、広島市が突出して深刻だ。 市の基準を満たした認可保育所は185カ所で定員は計2万3682人。前年より395人分増やした。しかし、入園を申し込んだ児童は2万3718人と前年比643人増。定員増を上回るペースで需要が高まり、待機児童は安佐南区が244人▽西区が41人▽佐伯区が39人―と、子育て世帯の多い地域で問題となっている。 待機児童の保護者は189人が働いており、161人が求職中。祖父母や認可外施設に預けている人もいる。 保育問題に詳しい広島大大学院の七木田敦教授(幼児教育学)は「広島の現状は深刻で、待機児童の解消は最優先課題。保護者が利用しやすい事業所内保育施設の支援など、民間をもっと巻き込んだ思い切った施策も必要だ」と指摘している。(教蓮孝匡) (2013.6.1)
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