ステンレス→プラスチック 熱さ感じさせず
広島市は、市立小中学校の給食食器を更新する。児童生徒や保護者から「熱くて持ちにくい」「見た目が悪い」との声が出ていたステンレス食器を合成樹脂のプラスチック製へ変更。今月、小中4校で先行導入した。弁当箱タイプのランチボックスを使う中学校では返却時に食べ残しの有無を確認しやすいよう、ふたを半透明にする。市は数年かけて全206校で切り替える。 新学年の給食が始まった10日からプラスチック食器にしたのは、五日市南地区学校給食センター(佐伯区)が担当する五日市中央、五日市南、楽々園の3小学校と五日市南中。米飯と汁物のわん2個、総菜プレート(直径約15センチ)1枚の3点セットで1人分1950円。 楽々園小の11日の給食時間、汁わんに豚肉と大豆のトマト煮が注がれた。6年上谷俊太君(11)は「手が熱くないので食べやすい」と話した。 食器の材質変更には曲折があった。市が1994年度にアルマイト製からポリカーボネートのプラスチック製に替えたのは、今回と同じく「食器が熱い」が主な理由。だがポリカーボネートに生殖や発育を阻害する内分泌攪乱(かくらん)物質(環境ホルモン)が含まれるとの指摘で99年度、ステンレス製になった。 合成樹脂の食器に今後切り替えるのは小中159校。市教委は「環境ホルモンの心配はない」としている。 ランチボックスは中学校43校が使う。半透明のふたを11日から導入したのは同じ弁当業者から仕入れる二葉、戸坂(以上東区)翠町(南区)高陽、落合、亀崎、口田(以上安佐北区)の7校。 翠町中の上村桂司校長は「食べ残しが分かれば、生徒の体調不良や無理なダイエットに気付くきっかけになる」と話す。容器は米飯用とおかず用の2点セットで1人分1690円。市は残る36校も順次、更新する。(山本乃輔) (2013.4.16)
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