2013年度建て替え、柱や床の面影引き継ぐ
庄原市教委は2013年度、同市東城町の東城小校舎を建て替える。約70年前に地元出身者の寄付金で建てられ、地域住民の愛着が深かった。耐震性に問題があり、新校舎建設を決めた。事業費7億9千万円を13年度一般会計当初予算案に盛り込んでいる。 市教委によると、校舎は1942年にできた。同町福代出身で、海運業で成功した故杤木(とちき)順作氏からの寄付を基に建設された。戦時中の校舎としては珍しい鉄筋2階建て。文部科学省の定める耐震基準を大きく下回っているため、建て替えを迫られた。 現在、校庭に仮設校舎を建設している。予算案が可決されれば校舎を取り壊し、同じ場所に新校舎を建てる。13年度末完成予定。 新校舎には、現在の校舎の面影を残す。現校舎の柱の形、床の模様などのデザインを取り入れる。また、交流スペースを設け、校舎の歴史や杤木氏のことを写真や資料で伝える。 市教委東城教育室の岩本光雄室長は「耐震性不足や老朽化のためやむなく建て替える。今の校舎の残せる部分は残し、子どもたちや地域に伝えていきたい」と言う。 親子3代で今の校舎に通ったという同校PTA会長の竹内義智さん(39)は「校舎がなくなるのは寂しいが、保護者として、子どもの安全や教育環境の充実が第一」と話している。(菊本孟) (2013.2.7)
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