中国新聞


小中選択制を見直しへ 三次市教委
14年度秋までに方針


 三次市教委は、子どもが進学する市立小中学校を自由に選ぶ現行の学区自由選択制の見直しを検討している。市内の全12中学校区単位で2015年度からの導入を描く「小中一貫教育」に備えるため。14年度秋までに正式に方針を示す。

 ▽一貫教育の導入に備え

 市教委は07年度から全小中学校の学区を自由化している。子ども側に学校選択を委ねることで各校の特色づくりを進めてもらう狙いだった。実施6年目の12年度は、全児童生徒の約2%に当たる89人が、クラブ活動の実績や校舎の魅力・特長などを理由に地元学区外の学校を選んでいる。

 市教委事務局は、各校の特色づくりが進むなど一定の効果があったと評価する。一方で、地元への愛着を深めてもらい、進学先の環境になじめない「中1ギャップ」を解消する観点から、近隣小中学校が連携した一貫教育の可能性を11年度ごろから模索するようになっていた。

 事務局段階では、15年度に小中9年間の一貫教育を本格導入するプランの検討を始めている。

 計画を進めるためには、学区の自由選択を制限する必要が出てくる。市教委事務局は14年度秋までに学区自由選択制の実施要領変更を教育委員会議に諮り、具体的な見直し策を決めたい考えだ。

 教育委員の中には前向きな意見もあるが、「目当ての運動部がある学校への進学を熱望する子どもへの対応などをどうするか」といった慎重な声もある。

 白石欣也教育次長は「学校が地域と連携して取り組む一貫教育と、学区の自由選択は矛盾する。十分検討し、方針が固まれば、保護者への説明を重ねたい」と話している。(重田広志)

(2013.1.31)


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