高等部、10年で2倍 島根県、2校の校舎増築 島根県内の特別支援学校に通う知的障害の生徒が急増している。高校に特別支援学級がないことから、特に高等部はここ10年で2倍近くの439人に増えた。県教委は「障害に対する保護者の認識が高まったことや、発達障害との併発など障害の多様化が要因」と分析。手狭になった校舎の増築など対策に追われている。 県教委によると、特別支援学校6校の高等部に通う知的障害の生徒は2011年度439人で、02年度に比べ約1・9倍となった。6校の小学部は134人で4割増、中学部は107人で3割増。高等部の増加が際立つ。 傾向は都市部で顕著で、松江養護学校(松江市)と出雲養護学校(出雲市)の高等部はそれぞれ10年間で4割増の116人、2・3倍の142人。 このため県教委は11年10月、両校の校舎拡充に着手。12年4月からの利用に合わせ、松江養護は約6キロ南西の松江高等技術校跡地にプレハブ平屋2棟(計約800平方メートル)を新設。3年生の一部が通い始めた。出雲養護は敷地内にプレハブ平屋と2階建て(延べ計約1400平方メートル)の仮設校舎を新設した。松江養護は技術校跡地の鉄骨3棟(延べ計約2500平方メートル)も改修した。 民間業者と5年間のリース契約を結び、建設費や賃料など総事業費は両校で計約8億3千万円。生徒数の推移をみて、本校舎の新築も判断するという。 県教委によると、高等部では教員不足も課題。専門の免許を持つ新卒者の採用が足りず、講師でカバーしているという。高校教育課は「新卒の採用枠を増やし、教員には専門免許の取得を呼び掛けたい」としている。(樋口浩二) (2012.4.14)
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