中国新聞


広島北特別支援学校高等部
求人開拓に力 就職率倍増
今春卒47% 職業学習 成果披露も


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学校に訪れた住民をパンと紅茶でもてなす生徒

 広島市安佐北区の広島北特別支援学校が、高等部の就職指導に力を入れている。今春の卒業生の就職率は47・2%。積極的な求人開拓が実を結び、前年に比べ倍増した。この成果を土台に本年度からは外部講師を拡充。住民を招いて職業学習の成果を披露するなど職場を想定した指導を進める。

 知的障害のある生徒が通う同校には、県教委が2006年度から企業の求人開拓などを担うジョブサポートティーチャーを配置。今春の卒業生の就職率47・2%は、前年に比べ22・2ポイント伸び、県内16の特別支援学校の平均24・2%を大きく上回った。

 同校は昨年度、進路と直結する「作業学習」に比重を置いた職業コースを開設。現在は1、2年計16人が、食品加工▽清掃などビルメンテナンス▽商品仕分けなどの物流・サービス―を中心に学ぶ。週30時間の授業のうち13時間を充てる。

 3月には校舎1階の生活学習室をパン焼き技術などを学ぶ食品加工室に改修。9月から月1回、大手コーヒーチェーン社員から接客マナーの基本などを教わる。茶道や生け花の講師も招く予定だ。

 学習成果を披露しようと9日、地域住民を学校に招き、生徒が作ったパンと紅茶で初めてもてなした。2年の女子生徒(16)は「ハキハキとした対応を心掛けた」。地元自治会の小田茂則会長(67)は「気持ちの良い接客だった」と喜んだ。

 片嶋学校長は「生徒が社会で自立していくためのコミュニケーション力を高めていきたい」と話している。(有岡英俊)

(2010.11.11)


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