主婦や学生、企画次々
広島市西区古田地区の住民グループ「子どもをミソにまちつくり隊」が、子どもを軸にして地元の人の郷土愛を育む活動を続けている。結成から10年余り。古田公民館と連携し、広島工業大(佐伯区)の学生も巻き込んで地域の絆を紡いでいる。 昨年12月24日、公民館近くのグループホーム。幼児や児童計12人が、大学生4人や隊のメンバーと一緒に、地域の歴史や特産物を取り入れた創作劇を住民約80人に披露した。せりふを忘れた児童に大学生が小声で教える場面も。観客のお年寄りが飛び入り参加するなど、隊と公民館が主催した上演会は世代を超えた交流の場となった。 古田地区は昔の町並みが残る一方、マンションも多い。転勤族も暮らす。隊は2001年10月、「希薄になりつつある地域の結びつきを強めよう」と公民館のボランティア養成講座で出会った主婦たち10人が結成した。 児童が地域を歩いて名所マップを作るイベントを開いたり、名産のイチジクをイメージしたキャラクター「いちじくん」をデザインしたり。古江商店会から「子どもに愛着を持ってもらうにはどうすれば」と相談を受け、商店街で児童の仕事体験も企画した。 大学生の参加は8年前から。隊のメンバーが広島工業大の福田由美子教授(住環境計画)と知り合いだった縁で現在も5人が手伝う。地域のPR映像を制作した際は、パソコンに詳しい学生が編集作業を請け負った。「主婦の地域づくり活動がこれほど続くのは珍しい。多彩なイベントを仕掛け、子どもの親も巻き込んできたのが秘訣(ひけつ)でしょう」。福田教授は分析する。 イチジクを使った名産品づくりも構想中。平城智恵子代表(48)は「子どもの郷土愛を育めば将来、地域を支えてくれるはず。その手助けをしたい」と話している。(山本賢二朗) (2012.1.19)
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