中国新聞


暴力行為、中学生目立つ
10年度、公立校の文科省調査


 ▽「生徒間」8割弱 山口県教委、重点指導強化へ

 文部科学省が4日公表した2010年度の児童生徒の問題行動調査で、山口県内の公立学校は、暴力行為の発生、いじめの認知の件数、中途退学や不登校の人数がいずれも前年度より減少した。県教委は小中連携や課題校への重点指導が進んだと説明している。ただ、中学の暴力行為が依然として目立つなどの課題もある。

 県教委によると、暴力行為は前年度より9件減の688件。児童生徒数に対する件数の割合は前年度と同じ0・49%で、全国平均を0・03ポイント上回る。

 形態別では「生徒間暴力」の375件が最多。「対教師暴力」153件▽「器物損壊」144件―と続く。特に中学生の「荒れ」が目立ち、生徒間暴力の8割弱、対教師暴力と器物損壊は9割弱を占める。

 中学全170校のうち暴力行為が10件以上は20校。この20校の合計件数が、全件数の6割を占める。県教委は「一部の学校に集中する傾向がある。重点指導を強化したい」としている。

 いじめは20件減の513件。学年別は中学1年が最多の135件だった。様態別(複数回答可)は「冷やかしやからかい」が361件で最多。「仲間外れや集団による無視」も114件あった。

 高校と中等教育学校の後期課程を調査対象とする中途退学は31人減の183人。理由の内訳は「学校生活や学業への不適応」67人▽「進路変更」65人▽「問題行動など」19人―と続いた。

 不登校は高校が51人減の178人、小中学校が193人減の1235人。小学6年66人、中学1年238人と中学進学時の急増がうかがえる。

 県教委は環境変化になじめない「中1ギャップ」解消に向け、近隣の小中で同じスクールカウンセラーを配置するなど相談態勢の充実を図る。(金刺大五)

(2011.8.5)


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