生徒の被害アンケート 広島県教委 全県立校に指示 広島県安芸太田町立の小学校教頭が、わいせつ目的で女子中学生を車に連れ込もうとした事件を受け、県教委は3日、教職員からのセクハラ被害の有無を生徒にアンケートするよう高校など全県立学校101校に指示した。今月末を期限に定めた。その後も定期的にアンケートを続け、被害の早期把握につなげるという。(永山啓一) 県教委が3日、県内4カ所で開いた臨時県立学校長会議で指示した。県庁であった会議では県西部の高校、特別支援学校計52校の校長が出席。榎田好一教育長は「不祥事の予兆をつかまえなければならない」と訴え、具体策としてアンケートの実施を求めた。県教委は福山市、尾道市、三次市の他の3会場でも同様に指示した。 質問項目や記名、無記名などの手法は各学校に考えてもらう。県教委は、アンケート結果でセクハラの疑い事例があれば報告を求める。 さらに県教委は、全23市町教委の教育長を集めた臨時会議も7日に開き、小中学校の服務規律を徹底するよう要請する。その中で全県立学校でのアンケート導入を紹介する方針だ。教職員課の篠田智志課長は「小中学校でも新たな不祥事防止対策に取り組むよう求めたい」と話している。 県教委は2009年度、教職員の不祥事が相次いだため、全公立学校に不祥事防止委員会を設置するよう指導。その取り組みの一環で、独自にアンケートする学校はあった。今回の事件を受け県教委は、全県立学校で導入する必要性があると判断した。 観音高(広島市西区)は1月、初めて記名式アンケートを実施。「学校生活で困ったことや嫌なことは」との質問1項目を全生徒に尋ね、具体例があれば書くように求めた。杉原敏彦校長は「アンケートでセクハラ被害はないことが確認できた。生徒の変化をいち早く見つけるため学期ごとに実施したい」と話している。 県教委の10年度の懲戒処分はこれまで31件に上る。わいせつ・セクハラ関連の処分は4件で、10年10月以降に相次いでいる。 (2011.3.4)
【関連記事】 |