派遣医不足に拍車 山口大医学部(宇部市)の産婦人科の4月の医局入局者がゼロとなることが4日、分かった。山口県内では産科医不足で分娩(ぶんべん)を中止する病院が相次ぐ。同医局では3月末に5人が定年や開業で退職を予定し、医師の派遣先の関連病院にも影響が出そうだ。 医学部産婦人科の杉野法広教授によると、ここ数年は4月に3人程度が入局していた。新臨床研修制度の導入に伴って医局入局者がいなかった2004年、05年の2年間を除けば、入局者ゼロは02年以来8年ぶりとなる。杉野教授は「ハードワークで敬遠される傾向がある。産婦人科医の待遇改善が急務」と訴える。 同医局の医師は関連病院への派遣を含めて約50人。派遣先の一つである光市の市立大和総合病院は3月末に分娩を中止する。派遣している2人のうち1人が退職して民間病院に移るため、残る1人では分娩の継続が困難と判断した。同じく派遣先である済生会山口総合病院(山口市)も8月以降の分娩予約を受け付けていない。 同医局は4月以降、マイナス5の純減となり、さらに人繰りが難しくなる。杉野教授は「人手不足で十分に対応できない」としている。(金刺大五) (2010.3.5)
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