中国地方7ヵ所 医師不足が深刻 厚労省調査 今年一月以降、お産休止や取り扱い件数の制限を決めた産科医療機関が二十四都府県七十七カ所に上り、そのうち中国地方は七カ所あることが二十五日、厚生労働省の緊急調査で分かった。開業医の高齢化、勤務医の異動や退職に伴う人手不足が主な原因。五県七カ所で「地域でのお産継続が困難」という実態が明らかになった。 「休止」または「休止予定」としたのは病院と診療所を合わせ二十二都府県計四十五カ所。都道府県別では静岡(六カ所)が最も多く、岐阜(五カ所)、栃木と愛知(四カ所)が続いた。 中国地方では、広島三カ所、島根二カ所。内訳は、産科医師を確保できず中止したマツダ病院(府中町)、呉圏域の産科集約化の影響で四月から休診する呉共済病院(呉市)、医師一人で二十四時間態勢が維持できず四月に中止する公立みつぎ総合病院(尾道市)。島根は、松江生協病院(松江市)と根宜産婦人科医院(大田市)だった。 里帰り出産を受け付けないなど「制限」または「制限予定」としたのは、十県三十二カ所。中国地方では呉医療センター(呉市)と島根県立中央病院(出雲市)。 休止、制限とも報告があったのは、広島と島根、秋田、埼玉、長野、静岡、愛知、佐賀の八県。 同省は福島、群馬、長野、静岡、沖縄の五県七カ所は「地域でのお産継続は困難」と判断、近隣大学病院からの医師派遣などの対策を決めた。七十カ所は近隣医療機関で対応できるなど、深刻な影響はないとしている。日本産科婦人科学会も独自調査で医療機関百十カ所で緊急医師派遣が必要としており、舛添要一厚労相は同日の閣議後会見で「抜本的、構造的改革に向け着実に歩を進めたい」と述べた。 調査は一月、同省が都道府県に指示。二十四日までの報告を集計し、二十五日の地域医療に関する関係省庁連絡会議で説明した。
(2008.3.26)
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