手洗い励行による乾燥が原因 皮膚科医、保湿を呼び掛け 新型インフルエンザの予防のために手を頻繁に洗い、かゆみを伴う手荒れを訴える患者が、広島市で子どもを中心に増えている。皮膚科の医師たちは、洗浄液で皮脂を洗い流しすぎるために乾燥するのが原因とみている。 岡野皮ふ科クリニック(安佐北区)では、新型インフルエンザによる学級閉鎖が県内で増え始めた昨年9月ごろから、月10人程度が訪れる。幼児と小学生が大半を占めるが、水仕事の多い女性も目立つ。手のかゆみを訴え、かきむしって傷ができるケースもある。 岡野伸二院長は「学校の指導もあり、頻繁に手を洗う子どもに症状が現れている」と指摘。「速乾性の高いアルコール消毒液の多用も肌を乾燥させる」と注意を促す。 木下皮膚科医院(南区)でも昨年11月ごろから、手荒れの相談が増えた。木下三枝子院長は「皮膚の弱い子どもに症状が出やすい。洗浄剤の流し残しでも手が荒れるので、十分にすすいで、水分をふき取ってほしい」と助言している。 症状が軽い場合や予防には、保湿クリームなどの塗布を勧める。改善しにくければ、ステロイド剤を使う場合もある。 適度な手洗いとうがいは感染症予防に欠かせない。市衛生研究所(西区)の磯野裕之専門員は「インフルエンザは下火だが、1月ごろから感染性胃腸炎が増えている。手洗いと手のケアを両立させてほしい」と呼び掛けている。(衣川圭) (2010.2.5)
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