子育て世代の就労狙う 卸会社など誘致 来月開設 全国で初
広島市中央卸売市場(西区)に1月4日、全国の中央卸売市場で初となる保育所がオープンする。市場への子育て世代の新規就労や定着につなげようと、市場内の卸会社などが民間保育所を誘致した。 保育所を設けるのは同じ西区にある、もみのき保育園。市場内の卸会社や売店でつくる市中央市場連合会が誘致し、同園が西区井口にある保育園を市場内に移転する。青果などの卸会社が入る中央市場内に設け、関連商品売場棟の2階約160平方メートルを賃借する。 保育所は日曜祝日を除く午前7時半〜午後6時に開き、平日は8時まで延長できる。卸会社の社員やパート従業員の利用を見込み、定員を移転前の25人から45人に増やす。現在の利用者も移り、市場で働いていない地域の子どもも新たに受け入れる。 市場を管理する市によると、国が全国で設置を認可している76カ所の中央卸売市場で保育所ができるのは初。農林水産省流通課も「全国約1200カ所の都道府県許可の卸売市場を含めても非常に珍しい」としている。 中央市場は青果、水産、花卉(かき)の荷受けや仲卸会社、食堂など約140業者が入り、約3400人が勤める。卸売会社では、事務職や食品パック詰め作業などをするパート従業員に子育て世代が多いものの、定着しなかったり新規採用に苦労したりするケースもあるという。 市中央市場連合会の豊後厚成会長は「働きやすい職場をつくり、子育て世代の新規就労や職場への定着を図れる」と期待。もみのき保育園の西村恵美子園長は「子どもの市場見学なども検討したい。親の働く姿に接すれば良い教育になる」と話している。(高木潤) (2009.12.24)
【関連記事】 |