広島市の子育て融資 利用ゼロ 広島市の中小企業向け融資制度「男女共同参画・子育て支援資金」が昨年4月の創設以来、1件の利用もない。制度は、企業内託児所の新設など働きやすい民間の職場づくりを公的融資で促すのが目的。しかし、景気悪化を受けた企業の経営環境の厳しさも逆風となり、活用される見通しは立っていない。(水川恭輔) ▽広島市が昨年創設 不況で企業余裕なし 制度は(1)事業所内の託児所の新設、運営(2)育児休業者の代替要員の確保と職場復帰(3)従業員の子育てを支援するその他の施設整備―に充てる費用について、7千万円を上限に年利1・6%で融資する。男女共同参画や子育て支援の分野で市の表彰を受けた事業者は年利1・3%に優遇する規定も設けた。 市は、一般的な託児所の整備費を参考に、1件の申請額を1400万円として計算し、初年度は13件分の約1億8千万円の融資枠を設定したが、申し込みはなかった。本年度は約2億円の枠を準備している。これまでに企業側の反応はゼロという。 市地域産業支援課は「企業が職場環境を整える余裕がないのでは」と分析。一方で「共働き家庭は増え、子育て支援の必要性は増している。優れた人材の確保にもつながる」とPRに力を入れる方針だ。Tel082(504)2237。 (2009.10.1)
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