中国新聞


障害者雇用や育児支援
広島市、中小向け新融資
環境整備促す


 広島市は四月、中小企業を対象に「障害者雇用支援資金」と「男女共同参画・子育て支援資金」の融資制度を創設する。新規雇用や事業所の態勢整備を条件に、民間金融機関のローンより低金利にし、障害者や子育て中の男女が働きやすい環境づくりを支援する。政令指定都市では横浜市に続き二番目の試み。

 同制度では、障害者雇用率が3・6%以上▽男女共同参画や子育て支援の積極的な取り組みで市から顕彰を受けた―を対象に、年利1・3%の特別金利を設定。

 次いで、障害者の新規雇用や法定雇用率(1・8%)を充足▽法に基づく子育て支援計画を策定し、従業員向けの託児施設設置や育児休業者復帰支援などを推進―を条件に1・6%の一般金利枠をつくった。

 同様の融資制度は、広島県が二〇〇六年度に設けた。今回、市がスタートさせる一般金利枠とほぼ同じ内容だが、融資実績は障害者雇用が十件で計二億三千五百万円、子育て支援などが三件で計四千万円と想定を下回っているという。

 加えて市は、(1)市内の事業所(五十六人以上)の障害者雇用率が全国平均以下(2)子育て支援計画の策定が低調―などの現状を踏まえ、独自制度が必要と判断した。

 〇八年度予算案で市は、障害者雇用が五億七千万円、子育て支援が一億八千万円の融資枠を確保した。提携する金融機関に一定額を無利子で預け入れ、各金融機関が自己資金を加えて運用したうえで、市指定金利で中小企業に貸す「預託融資制度」を活用した。

 市経済振興課は「企業が率先して、障害者の自立や子育てを支える機運を高めたい」と説明している。(岡田浩平)

(2008.3.13)


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