中国新聞


少年更生活動 軌道に
「広島友の会」3年


 ▽全県で会員拡大課題 資金難も

 家庭裁判所に送致された少年の付き添いや資金援助などをする民間のボランティア団体「広島少年友の会」が発足して3年になった。活動は軌道に乗り始めたが、会員の地域的な偏りは解消されていない。運営資金も十分といえず、同会は運営への援助を求めている。

 「少年友の会」は全国の家裁の所在地にあり、犯罪や非行を犯した少年の更生計画を実行するのに、人的余裕のない家裁をフォローするのが目的の団体。会員は調停委員と元調停委員で構成し、広島少年友の会には現在132人が登録している。中国5県の取り組みは全国的に遅く、2006年5月にできた広島が中国地方で最初だった。

 3年間で、家裁から依頼のあった援助活動は鑑別所などへの付き添いが9件、交通費などの資金援助が4件。このほか、交通事故や道交法違反をした少年に対する交通教室の開催が34件、被害者の話を聞く会が12件などとなっている。

 今後は、少年を引き取っての生活や、職業指導をする補導委託先の個人や企業の開拓など、活動の幅を広げていく予定だ。

 一方で、会員はほぼ広島市周辺に集中しており、家裁の支部がある呉と尾道にはまだ会員はおらず、全県的な活動になっていない。そのため、支部などで付添人になった場合の広島からの旅費など必要な負担も多く、会費で賄っている活動資金も不十分だ。

 会長を務める椎木タカ弁護士は「再び非行に走らないきっかけをつくるために多くの少年に接していきたい。多くの人に活動を理解してもらい、協力もしてもらいたい」と呼び掛けている。(鴻池尚)

(2009.8.12)

【関連記事】
検挙・補導少年の5割小中生 昨年の広島県警まとめ (2009.3.7)



子育てのページTOPへ