労働局に相談222件 中国地方08年度 経営悪化など理由 出産や育児休業の取得を理由に解雇されたとする相談が、中国地方の労働局に相次ぐ。「育休切り」「出産切り」ともいわれる違法な処遇。厚生労働省は全国の労働局に、企業への指導などの強化を指示した。 二〇〇八年度、中国五県の各労働局への「育休切り」などをめぐる相談件数は二百二十二件。うち広島は八十件、岡山は四十六件、鳥取は四十三件と、それぞれ過去五年で最多。中小・零細企業に勤める女性からの相談が大半だ。 育休取得や妊娠、出産を上司に報告すると解雇を告げられたり、パートや契約社員への転向を打診されたりする例が目立つ。育休明けの職場復帰を拒絶された例もある。 こうした解雇や一方的な雇用契約の変更は、それぞれ男女雇用機会均等法と育児・介護休業法に違反する。しかし、事業主が解雇理由に経営悪化や個人成績の不良を主張する場合が多く、違法性の立証は難しい。 広島労働局雇用均等室は「直接は解雇を告げず、『体がしんどいならずっと休んだら』と解雇をほのめかす場合もある」とする。 「育休切り」「出産切り」は、景気悪化が顕著になった昨年秋以降、急増。厚労省の三月の調査によると、〇八年度(二月末現在)の相談件数は二千九百十三件。〇七年度比で一割増、〇四年度比で二倍を超している。(石川昌義) (2009.5.1)
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