5県4市がミス防止対策 中国地方 手順点検や研修会 香川県立中央病院の受精卵取り違えを受け、中国地方の五県四市がミス防止に乗り出している。国からの注意喚起の文書を体外受精の実施医療機関に伝達。広島市や岡山県は各機関が個別につくっている生殖医療マニュアルを点検、改善する。 受診者が不妊治療の公的助成を受けられる医療機関は中国地方で計三十二施設。五県と広島、福山、岡山、倉敷の四市が指定し、「倫理的に許されない行為」があった場合、指定を取り消せるなどの権限を持つ。 各自治体は問題の発覚後に「安全管理の徹底」を呼び掛ける国の文書を各施設へ送った。さらに、広島市は四日、指定する六施設にマニュアルの提出を指示。市の指定要綱に適合しているか、どうかを調べる。市こども・家庭支援課は「県と連携して安全管理を徹底する」という。 岡山県は九日、岡山市内で県内九施設を集めて研修会を開催。それぞれのマニュアルを照らし合わせて、改善点を探る。県健康対策課は「受診者たちが特に心配している。地元が安全なことを早く知らせたい」と対応を急ぐ。 山口県は、四施設から電話で聞き取り調査を実施。受精卵の培養シャーレへの個人名記入や、卵子が受診者本人のものであるかどうかの二重チェックの励行などについて確認した。島根、鳥取両県も同様に調べた。 厚生労働省は三日、全国の県市を通じて約六百施設に機器の整備や人員を問うアンケートを発送した。月内に集計し、四月にも実施医療機関の指定要件に関する指針を改正する方針だ。(衣川圭)
(2009.3.8)
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