沖縄人気が急上昇 体験学習の場豊富 沖縄を修学旅行先に選ぶ中学校が岡山県内で増えている。2006年度に九州北部を抜きトップに浮上。本年度は公立中の半数以上が訪れる人気だ。体験学習志向の高まりと空路の使いやすさが要因と見られる。 ▽便利な空路 座席不足ぎみ 県内各市町村教委によると、公立中学全百六十五校の〇八年度の行き先は、沖縄が八十五校で52%を占めトップ。九州北部四十九校(30%)、関東二十三校(14%)と続く。沖縄は〇六年度七十一校、〇七年度七十七校と伸びている。 増え始めたのは、全国の公立中・高校で航空機の利用が広がった〇二年度ごろから。総合学習も始まり、修学旅行に体験学習の要素も求められ始めた。戦跡や軍事基地、自然の多い沖縄は要望に適し、午前九時半発と滞在時間が長く取れる岡山―沖縄線の発着時刻も追い風になった。 井笠地域では今春、二十校中七校が訪問。集団自決の語り部の話やシーカヤックなどを組み込む笠岡市の新吉中、藤井学教諭(51)は「広島・長崎とは違う視点で平和を学べ、自然体験の場も豊富」。井原市の美星中は「四月に海水浴が体験できるなど気候の差を体感できる」とする。 訪問校増加で、各校が頭を悩ませるのは座席確保。岡山発は、一日一便で座席百五十席。五月に臨時便十九往復を出すが、まだ不足。岡山市の高島中は、九十キロ西の広島空港(三原市)を利用した。 過熱気味の沖縄への修学旅行に、日本修学旅行協会の村岡輝久常務理事は「沖縄は全国的人気だが、燃料費高騰による負担増で、大幅な団体割引が利く新幹線利用に戻す学校も出ている」と指摘している。(教蓮孝匡)
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