広島空港 昨年度は最多16校 広島空港(三原市)発着の航空便を利用した中国、四国地方の高校の海外修学旅行が増えている。広島県によると、二〇〇七年度は過去最多の十六校が実施。〇八年度も既に二十一校が中国や台湾、グアムなどへの空の旅を計画する。海外修学旅行の普及などに加え、旅費助成やPRセミナーといった県の促進策が少しずつ効果を上げてきたと言えそうだ。 県は〇四年度、広島空港の国際線を団体利用(十人以上)する中学、高校生らを対象に、一人当たり片道千円の助成制度を設けた。中四国地方の県外からの利用には、空港間のバス代の学校補助として、県ごとに三万五千―二万円を上積んでいる。 県によると、制度の初年度は七校(うち県外一校)、〇五年度も七校(同二校)と当初は利用が低調。しかし、中四国地方の高校の修学旅行の担当教員を対象にした年一回のセミナーを開いた効果もあり、〇六年度は十三校(同二校)、〇七年度は十六校(同四校)が利用した。 目的地別の延べ校数は中国(北京、大連、上海)が最多の計二十校。韓国計九校、台湾計七校、グアム・ハワイ計五校。〇七年度から台湾の高校と交流する興陽高(岡山市)は「岡山空港よりダイヤが多く、助成があるのが魅力」。二年連続で北京を旅行する進徳女子高(広島市南区)は「関西空港や福岡空港よりラウンジが狭く、生徒の行動を把握しやすい」と説明する。 広島空港の国際定期線は七路線。海外での乗り継ぎを利用すれば、出発日のうちに欧米やオーストラリアを含む約五十都市に到着できる。本年度のセミナーは五月に予定しており、空港港湾部は「広島空港から広がる旅の可能性を伝え、利用を伸ばしたい」としている。(門脇正樹)
(2008.4.18)
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