「子ども1人まで」48% 少子化 労働環境響く 仕事や収入など働く環境が原因で育てる子どもは一人以下に抑えざるを得ない可能性があると思っている人が、中国地方の二十、三十歳代の男女計百人のうち半数近くいることが、中国新聞社が二十三日まとめた「少子化と働く環境の関係についてのアンケート」で浮かび上がった。育児と仕事を両立する難しさや、収入面や将来の生活の不安も含め、経済的な要因が少子化に大きな影響を与えている現状を裏付けた。
働く環境が原因で希望通りの人数の子どもを育てられなくなる可能性について、「ある」と思う人は48%、「少しある」と思うが36%で続き、合わせて84%に達した。「あまりない」9%、「ない」7%の計16%を大きく上回った。 とりわけ女性では「ある」「少しある」が計90%に上り、男性に比べ深刻な受け止めを示した。 現在の収入や仕事の状況では「一人の子どもを育てるのも難しい」と感じている人が20%、「二人は難しい(一人に抑えざるを得ない)」が28%。合わせて48%が、育てられる子どもは一人以下になる可能性を感じている。「三人は難しい(二人に抑えざるを得ない)」の35%を合わせると83%が、経済的には育てられる子どもは二人までと感じている実情がうかがえる。 その理由(複数回答)として、最多の42%が挙げたのが「仕事と育児の両立が難しい」。次いで「年金など将来が心配」37%、「育児で自由になるお金が減る」が32%で続いた。 現在の職場で育児休業などの制度を利用しにくい環境が「ある」とする回答も40%あった。制度があっても「使える雰囲気がない」や、同僚にかける迷惑を気にする声が目立った。 望む少子化対策(複数回答)では「仕事と育児を両立しやすい職場の環境改善」が55%でトップ。保育所など施設サービスの充実や、出産や子育て後に再就職しやすい雇用環境への要望が多く、働く環境の改善が少子化対策として急務である状況を反映した。 調査は十六―十九日、広島、福山、周南、岩国、岡山、出雲市など中国地方の主要都市の街頭や職場で二十、三十歳代の男女五十人ずつ計百人に聞いた。 (2005.5.24)
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