「孫育てのとき」

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本紙「孫育て」アンケート

■どんな不安がありますか

「体力」「趣味などとの両立」


自分の生活も重視したい

 今どきの祖父母世代は、「孫育て」にどんな不安を持っているのだろうか。昨年十二月の本紙アンケートで、選択式(複数回答)で答えてもらった。核家族を単位に、幸せのかたちを描いてきた世代。「第二の人生は、自分のために使いたい」との願望ものぞく。(西村文)

娘・息子夫婦との関係/子育て方法/ゆとりがない

「孫育て」アンケートから
■孫育てに不安がありますか
(3つまで選択)
(1)自分の体力が不安94人
(2)自分の仕事や趣味・地域活動と両立できるか不安80人
(3)娘・息子夫婦とうまくいくか不安73人
(4)最近の子育て方法が分からない62人
(5)不安はない27人
(6)自分の時の子育て方法を忘れてしまって不安26人
※2005年12月に実施。
中国地方に住む52―62歳の 189人(男100人、女89人)が回答

 男女全体で、「自分の体力が不安」(九十四人)が最も多かった。次いで「自分の仕事や趣味・地域活動との両立ができるか不安」(八十人)が挙がった。二つとも、不安に感じている比率は女性の方が高かった。

 以下、「娘・息子夫婦との関係がうまくいくか不安」(七十三人)▽「最近の子育て方法が分からない」(六十二人)▽「自分の時の子育て方法を忘れてしまって不安」(二十六人)と続いた。また、二十七人が「不安はない」と「その他」欄に書き込んだ。

 回答からは男女とも、孫育てにかかわりたいという強い意欲を持っている半面、自分の生活も重視したい―との思いがにじんでいる。

 男性の「不安」の一番は、トータルでは三番の「娘・息子夫婦との関係がうまくいくか」。特に、孫がいない男性の間で懸念が強かった。女性の間では四番と低く、息子・娘とのコミュニケーション濃度の男女間格差をうかがわせた。

 「不安がない」とする回答は、女性の約7%(六人)に比べ、男性では21%(二十一人)と多かった。「わが子の育児はほとんど妻に任せたが、孫育てに不安はない」(福山市・男性・57歳・孫なし)といった意見もあった。

 息子・娘が親元を離れ、遠くに住んでいる点を挙げる声も目立った。

 ◇「どの子も遠方に住んでいる。手伝いたい気持ちはあっても実際には難しい」(広島市東区・女性・55歳・孫なし)

 ◇「里帰り出産の手助け、子育てやしつけのアドバイスなどをしてやりたいが、娘が実家から遠くに住んでいるので不安」(福山市・女性・56歳・孫なし)

 ◇「遠方なのでなかなか孫に会えず、懐いてくれるか心配だ」(男性・57歳・孫2人)

 このほか、社会情勢や将来を憂える声が上がった。

 ◇「世の中が忙しすぎる。親子や祖父母にゆとりがないのが不安」(広島市安佐南区・女性・59歳・孫3人)

 ◇「世の中が乱れているので、生まれてくる孫が成長して、世間に迷惑を掛けないか不安」(男性・56歳・孫なし)

2006.1.5