バンク利用2件止まり 山口県教委、PRに力
高校生とボランティアの受け入れ先をつなぐため県教委が設立した「高校生ボランティアバンク」の活用が低迷している。8月末に受け付けを始めたが、20日現在で実施されたボランティアはわずか2件。山口県教委は周知不足が原因とみて、福祉施設などに活用を呼び掛けている。 バンクは授業日以外の施設清掃やレクリエーションなどを通じ、生徒の地域貢献を促す狙いで設立。福祉施設や小中学校をボランティア受け入れ先と想定している。 福祉施設は、県社会福祉協議会などを通じて依頼し、バンクが登録生徒のいる学校とマッチング。小中学校などは登録済みの高校へ直接要請する。高校は生徒が活動する場合には参加者名簿をバンクに提出する仕組み。 登録を済ませたのは岩国総合高生徒会執行部や周防大島高ボランティア部など19校の274人(20日現在)。登録数は順調に増えているが、依頼は県児童センター(山口市)のイベント手伝い2件だけ。参加した生徒は計約20人にとどまる。 バンクは計100時間以上活動した生徒は校長の推薦を得て認証する制度も設けているが、活動の場が広がらず、制度は事実上機能していない。 県教委高校教育課は原因は周知不足とみており、チラシを作り県社協や市町教委などを通じて利用を呼び掛けている。同課は「受け入れ先と生徒の双方にメリットのある仕組みなので、積極的に活用してほしい」としている。(藤田龍治) (2013.11.21)
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