廿日市の中3死亡 調査委報告書 学校の不備指摘 廿日市市の市立中学3年の女子生徒(14)が5月に亡くなった問題で、外部の有識者たちでつくる調査委員会は16日、市役所で市教委に報告書を提出した。部活動の同級生によるいじめがあったと認定した上で「死亡に至る精神的な苦痛を招いた大きな誘因」と判断。学校の問題点として、組織的な対応が不十分だった点などを指摘した。(村上和生) 報告書はA4判、36ページ。女子生徒が部活動で同級生から悪口や仲間外れなどのいじめを受けた結果、人間関係への絶望感が死への決断に踏み切らせたと推定。一方で、思春期特有の悩みをサポートする周囲の大人の力量不足も指摘し「原因のすべてをいじめに求めることは出来ない」とした。 学校の対応について、2月6日に女子生徒から相談を受けた教諭が、悪口を言った同級生に謝罪させた場面に注目。全教職員が情報を共有し、問題解決を図る態勢が不十分だったため、いじめを認識できなかったとした。 また、再発防止に向けた取り組みとして、学校でのいじめ対応を想定した研修の実施や、地域ぐるみでの学校支援態勢の確立について提言した。学校は指導態勢を強化し、市教委は、教職員への研修や学校への支援態勢の充実を図る。 報告書は、委員長を務める奥典道教育長が、市教委の大西利武委員長に手渡した。調査委は、同校の生徒や全教職員への聞き取り調査、女子生徒が書き残したメモなどを基に、死亡に至った状況や心理状態を分析。両親や同校校長にも出席を求め、審議した。 (2013.11.17)
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