中国新聞


小児の心臓手術 好発進
島根大病院10月から5例とも成功


   

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心臓の図を使って、患者の病状と手術の方法を説明する藤本助教(右)。左は井川病院長(出雲市の島根大医学部本部棟)

 島根、鳥取両県で初めて小児心臓外科専門のチームを立ち上げた島根大医学部付属病院(出雲市)は8日、10月から実施した手術5例が、すべて成功したと発表した。

 手術は、藤本欣史助教(44)を中心とする約20人のチームが担当。初手術は10月4日、心臓に10以上の疾患がある大田市の2カ月男児に緊急で実施した。

 肺へ血が流れすぎ、全身に十分な血が流れず危険な状態だったが、肺動脈を狭めたり、動脈管を切除したりして心室から肺動脈への血流を抑制。危機を乗り越えたという。

 男子は今後、最低でも2回の手術が必要だが、同30日にいったん退院した。チームはその後、県内在住の7歳以下の4人を手術し、いずれも術後の経過は順調という。

 年内は手術を毎週することになっており、需要は大きい。藤本助教は8日の記者会見で「緊急手術からのスタートだったが順調だ。5年後に年100例を目指す」と語った。

 同席した井川幹夫病院長は「これまで地元の人は他県で手術しなければならず、負担が大きかった。近くに(手術できる場所が)あることは心強いはず」と話していた。(土井誠一)

(2013.11.9)


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