やけど・骨折…広島県などマニュアル配布 相談数増受け再編集
広島県と広島市、県医師会は、病院や診療所での診察時に児童虐待を見抜く方法をまとめた医療機関向けマニュアルを作った。県内で虐待相談件数が増えている状況を受け、2004年度に県地域保健対策協議会が作った同様の冊子を基に、内容を分かりやすく再編集した。 A4判、50ページ。虐待が疑われる子どもの特徴として、新旧の打撲傷が混在している▽年齢的に起こりにくい骨折▽アイロンの形など不自然なやけど―などを挙げる。極端な低身長・低体重など体格への注意も呼び掛ける。前回の冊子より、具体的な記述やイラストを増やした。 早期発見に結び付くように、仮に虐待と誤認して児童相談所に通報しても処罰されないことを明記。一方で、孤立感を持った保護者の努力をねぎらうなど、怒りの感情を抑えた対応が重要なことも説いている。 編集には、虐待を見抜いた経験のある県内の小児科医たちが携わった。7500部を作成。9月に、県内の医療機関に配った。 県内の児童相談所が2012年度に虐待相談を受けて対応した件数は、過去最多の2398件。02年度の2・5倍に上った。編集委員長を務めた広島赤十字・原爆病院前副院長の西美和医師は「後遺症や死に至る前に発見できるよう、小児科に限らず幅広い診療科で活用してほしい」と呼び掛けている。(馬場洋太) (2013.11.1)
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