山口県酪味に違和感 指摘相次ぐ 山口県内の学校給食用の牛乳を飲んだ子どもから「味やにおいがいつもと違う」という指摘が相次ぎ、宇部市の一部を除く約500校の給食で4日、牛乳の提供が中止された。県教委によると、牛乳自体に問題は確認されておらず、健康被害も報告されていないが、製造するやまぐち県酪乳業(下関市)は同日、製造ラインを止め、問題がないか点検した。 県と県酪によると、2日に下関市の中学で生徒4人から「牛乳の味がいつもと違う」と指摘があったという。同日、市保健所と県酪が同校の牛乳を検査したが異常はなく、工場で風味も検査したが問題はなかった。 県教委が3日に全市町に聞き取りしたところ、岩国や下松など8市町でも同様の指摘があることが判明。周南市では3日、4校の児童計約650人が「味が薄い」などと指摘したため、市教委が4日の牛乳を見合わせることを県酪に伝えた。 下関市保健所は3日も県酪の工場を立ち入り検査。異常は確認されなかったが、県酪は4日から給食用牛乳の製造を自主的に止め、製造ラインや配送過程を調査している。 各学校は牛乳が提供できないため、家庭にお茶を持参するように要請するなどして対応した。防府市の右田小では急きょ、調理員がお茶を沸かして全校児童526人に配るなどしたという。 県酪では宇部市の一部を除く小中学校約500校の計約12万人分の給食用牛乳を製造している。製造割合は瓶が約90%、紙パックが約10%で、指摘があったのはいずれも瓶の牛乳だったという。 県酪の経営管理部は「牛乳は酪農家ごとに味が少し違うこともある。大人よりも味覚が鋭い生徒が感じとったのかもしれない」としている。来週の給食に牛乳を供給するか否かは未定という。(藤田龍治、門戸隆彦) (2013.10.5)
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