中国新聞


文化学園大・短大 森林広場を整備
教諭志望者の指導力磨く
初等教育 自然と触れ合う授業増


   

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整備中の森林広場を見回る運営法人の職員たち

 広島文化学園大・短大は広島市安佐南区の長束キャンパス西側に、里山をイメージした森林広場「広島文化学園の森(仮称)」を整備している。自然に親しみの薄い学生が増える半面、総合学習や生活の授業で自然と触れ合う実践がより求められる教育現場のニーズを受け、教諭志望者たちの技量を磨く場とする。

 森は広さ約7千平方メートル。3カ所の広場や花壇、散策道を設け、一部に竹林やアラカシ、シロダモなどの雑木を残す。両大学の運動場用地として所有していた山林を約5千万円で整備。年内の完成を目指す。

 来年度からは講義に森を使った内容を組み込む。学生が植物観察会やネーチャーゲームなどを取り入れた模擬授業、工作体験などを実地で学ぶ。

 同キャンパスには、小学校教諭や保育士を目指す学生が多く通う。近年、教育現場では自然観察などを通して子どもの感性や危険を察知する能力を伸ばすことが重視されてきた。同大学芸学部子ども学科長の二階堂年恵准教授(社会認識教育学)は「講義室で学べない実体験を通じ、学生の教育力を高めたい」と説明する。

 森は住民を招いたイベントにも使う。法人の森元弘志理事長は「自然と共生する人材育成が初等教育から求められている。その術を体験、体得する場にする」と話している。(久保田剛)

(2013.10.5)


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