新タイプの高校設置へ 県教委と市教委 多様なニーズに対応
広島県教委と広島市教委は、市内の定時制、通信制高校を再編し、新しいタイプの高校を新設する方向で検討を進めている。有力候補地は中区大手町の広島特別支援学校の跡地。定時制、通信制高校への進学の動機が多様化する中、進学や就職など希望する進路に応じたきめ細かな教育を実施できる学校が必要と判断した。 市内の定時制高校は国泰寺、観音、可部の県立3校(いずれも普通科)と、大手町商業、広島工業の市立2校の計5校。通信制高校は県立の西高がある。 定時制高校は従来、中学を卒業後、昼間は働き、夜間に学ぶ若者が主に通ってきた。最近では中学校時代に不登校になったり、スポーツや音楽などの活動を優先して全日制に通う時間がなかったりで、定時制や通信制への進学を希望する生徒が増えているという。 本年度から始まった大手町商業の昼間の部(定員40人)に対し、推薦、一般入試の倍率がそれぞれ4・25倍、3・68倍だった。 市教委は2003年に有識者委員会の提言を受け、大手町商業と広島工業の定時制の統合を検討。県教委も02年にまとめた県立高の再編整備基本計画で新しいタイプの定時制高の設置を打ち出していた。県市の担当者で協議を続けていた。 昨年9月、大手町商業に隣接する広島特別支援学校が南区出島に移転。有力な移転候補地になった。県教委と市教委は新設校の設置に向け、規模や開校時期、設置主体の調整を急いでいる。 市教委指導二課は「生徒の多様な学習ニーズに対応し自立した社会人を育てるため、喫緊の課題として取り組む」としている。(岡田浩平) (2013.9.25)
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