補助金などPR、問われる企画・営業力
安芸高田市が定住促進団地の売り込みに力を入れている。12日には市商工会が市と連携して広島市で説明会を初開催した。都市部から、子育て世代の呼び込みを図る。市内の建築業者で住宅を新築する場合には、多くの補助金がある。地場建築業者も、こうした動きに呼応し、販売拡大へ動く。 説明会は広島市中区のホテルであった。安芸高田市商工会加盟の建築関連業者でつくる市ブランド住宅事業協同組合の業者がブースを構えた。真剣に検討する来場者の姿も見られた。 ▽転入には補助金 魅力は補助金だ。市外から転入の子育て世帯の場合、土地分譲価格の20%分、住宅建築には50万円の補助がある。夫の実家が安芸高田市という女性は「親の農業を手伝うため帰ることになった。広い敷地が安く手に入るのは魅力」と話す。 地場の建築業者が熱心なのは、木造住宅を売り込む好機とみるからだ。同事業協同組合の小又正文理事長は「丈夫で長持ちする木の香る住宅を提供したい」と意気込む。 ただ、今回の説明会はお盆前で、参加者は10人と少なかった。営業トークの巧みな業者に人が集まるなどブース間の差も目立った。個々のアピール力が問われ、決して甘くはないことも示した。 今後、市内の業者が協力するなどし、自前のモデル住宅を企画できるようになるかが、販売拡大の鍵となる。 ▽本音は財政補填 一方、安芸高田市が若い世代向けの定住団地売り込みに努めるのにも、背景がある。市営住宅として維持するよりも、市有地を早く売却して少しでも財政補〓(ほてん)したいというのが本音だ。 市は、定住団地の説明会は今後も予定するが「区画が埋まらなければ市内業者限定にはできない」(住宅政策課)とする。円滑な土地売却につなげるためにも、大手ハウスメーカーと渡り合える企画・営業力を地場の業者に求める構えだ。(椎木一郎)
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