中国新聞


呉の市立中、完全給食を検討 旧市内と下蒲刈の19校
呉市教委、2012年度中に結論


 呉市教委が市立中の給食完全実施を検討している。全28校のうち実施しているのは、市との合併前から取り組む川尻、安浦、音戸、倉橋、蒲刈、豊、豊浜の7町9校。PTAなどの要望を踏まえ、旧市内、下蒲刈町の19校への導入の可能性を探る。市教委は2012年度中に結論を固める方針。

 9校の給食は豊、蒲刈、倉橋、音戸の4町にある共同調理場や中学校、小学校で調理している。生徒の食材費負担は1食280円。広島県内では全23市町のうち、16市町教委が既に全市立、町立中で給食を導入している。

 市教委によると、完全実施する場合、調理場を二つ新設する必要がある。建設費計約35億円は国の補助金を活用できるが、開設後の運営費は市の負担になる。試算では年間約1億5千万円かかり、検討課題となりそうだ。

 市教委は2002年度、旧市内の1校で給食を試行した。終了後に生徒98人に聞いたところ、15%が弁当、30%が給食を支持。51%が「どちらでもよい」と答えたこともあり、その後は議論が深まらなかった。

 保護者からは「食べ盛りの子の弁当を作るのは負担。導入はありがたい」「食材の産地公表、アレルギー対応はどうするのか」などの意見がある。

 市教委教育施設課は「働く女性も増え、要望は理解できる。PTAと意見交換して詰めたい」としている。(小林可奈)

(2012.4.24)


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