広島県、想定の4分の1 広島県が本年度からスタートした「未来のパパママ育成事業」の活用が低調だ。県内の高校生と大学生、その保護者を対象に、県産婦人科医会の医師が性教育について出前講座を開く事業だが、派遣希望は想定の4分の1にとどまっている。 事業は、成長していく子どもたちに、命の大切さだけでなく妊娠や不妊、避妊、子育てについて理解を深めてもらうのが狙い。県医師会に委託し、50分程度の講演費用を県が負担する。本年度は約300万円の予算を確保している。 県は当初、県内80校での実施を想定。4〜6月に県内計約160の高校・大学に派遣希望を募る通知を出した。ところが、派遣は実施予定も含め22校。県健康対策課は「関係機関との調整に手間取り、学校側が年間予定を決めるまでに通知できなかったことが要因の一つ」と悔やむ。 一方、県産婦人科医会の久松和寛会長は、晩婚化に加え、知識不足などが背景にある昨今の不妊症の広がりを懸念。「若いころから妊娠、出産について正しい知識を身に付けることが重要。教育現場にも危機感を持ってほしい」と事業の活用を訴えている。(山本堅太郎) (2011.11.11)
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